ニュースでも話題になった退職代行サービス。
利用に批判的な意見がありつつも、実際に利用している人も数多くおり、社会のニーズとマッチしているのも事実です。
今回は、退職代行サービスとはどういったものなのか。
そして、批判に反して利用者が増え続ける理由について調査した結果をお伝えしたいと思います。
年々利用者が増えている退職代行。 現在では、そのサービス業者も100社以上存在すると言われています。 そんな退職代行の中…
退職代行サービスって、具体的にどんなサービス?
退職代行は、依頼者の代わりに勤めている会社へ退職の意思を代理で伝えてくれるサービスです。
2017年頃からこのサービスに注目が集まっていますが、電話代行を行う業者の間では、それ以前にサービスの一貫としておこなわれています。
現在の退職代行サービスでは、弁護士や専門家の業務監修をうけながら対応しているので、安全性も高くなっています。
しかし、参入障壁が比較的低いサービスなだけに、質のわるいサービスも多く誕生しているのも事実です。
中には、正しい知識や専門家業務監修なく対応しているサービスや、料金をだまし取る悪質なサービスもあるので、利用する際は十分な注意が必要です。
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退職代行サービスは、様々な理由で会社をやめさせてもらえない方の救世主として誕生したサービスです。 利用方法も簡単ですが、…
退職代行サービスが必要とされている理由
現在では、退職や転職はさほどネガティブにとらわれる事ではなくなってきました。
しかし、一度入った会社という組織を抜け出すことは、思っているよりも難しいことがあります。
その理由として、下記のポイントが考えられるでしょう。
現代と過去の『働き方』に、まだギャップがある
素直な退職理由が言えない
『慰留ハラスメント』問題
現代と過去の『働き方』に、まだギャップがある
日本人はもともと集団行為を大切にする社会的文化があります。
そのため、組織から抜ける行為(退職)が、どうしても後ろめたいものだと感じる人が多いんです。
※帰属意識・・・ある集団に自分が属している、その集団の一員であるという意識。企業や民族などさまざまな規模・単位について用いられる。
weblio辞典より引用
働き方が多様化し、仕事に対する価値観も人それぞれ変わってきた現代では、『終身雇用』のような古き日本の働き方に息苦しさを感じる人が増えてきているのです。
そんな人たちが帰属意識を求める会社から抜け出すためには、それなりの勇気と覚悟を持つ必要があるのです。
素直な退職理由が言えない
退職する人のほとんどは、会社に対してネガティブな気持ちを強く抱えています。
・上司や同僚、部下との相性が合わない
・過剰なハラスメントがある
・企業風土が全く合わない
・やりたいことが全然できない
・過剰労働がつらい
しかし、このような気持ちを率直に伝えることは、『謙虚』を美徳として考えてきた日本人が苦手な行動です。
そのため、なるべくポジティブな言葉に言い換えて伝えようと試みますが、納得させられるような考えでなければ結局引き止められてしまいます。
特に、体育会系の上司だと厄介で、「考えが甘い!辞めるには早い!」と、考えを否定されてしまう場合も。
言いたいことを素直に言えない文化は、時として人の行動やこころを縛ってしまいます。
そんな人が助けを求められる退職代行サービスは、まさに現代人にはぴったりのサービスなのでしょう。
『慰留ハラスメント』問題
人手不足の時代に、退職者を出したくない側も、必死に引きとめようとします。
あなたが必要!やめてほしくない!
と、情に訴えかけられると、なかなか振り切れない人もいるのではないでしょうか。
特に、普段から物静かで物腰柔らかいような優しい人は、だれかの迷惑になってしまうということを極端に気にかけます。
しかし、それを引きとめようとする上司や、まわりの人も、実は自己都合な理由を隠しています。
今退職者が出ると、会社の評判が悪くなるんだよ。
あの人に押し付けてた面倒な仕事、俺に回ってくるんじゃないか。
引き止める側は、相手の心配よりも、自分の都合を優先しているため、権力を利用したり、言葉巧みに退職希望者を丸め込んでしまうのです。
しかし、一度辞めたいと思った人のココロは、そう簡単には変わりません。
気持ちとは相反してやめさせてもらえない人が、何とかしてやめたいと思いたどり着く先が、退職代行サービスなのです。
このように、退職代行サービスを利用する人の背景には、複雑な事情がかくれています。
そんな方々に変わって退職を実行してくれるサービスは、辛い状況から助け出してくれる切り札となります。
なんでわざわざお金かけて退職するの?
退職届け出すだけでしょ?
はたからみれば、退職することは簡単に感じることかもしれません。
しかし、 退職代行サービスの利用者が増えていることを考えると、様々な理由で退職できず、苦しんでいる人が多いというのも事実です。
退職代行サービスを利用することで、つらい人生から抜け出せるのであれば、こんなに安いサービスはないと思います。
心やからだを壊してからでは、本当におそいのです。
企業側も、退職代行にポジティブな面があると感じている
退職代行サービスで気になる問題点の一つとして、企業側に迷惑がかかるのではないかという点です。
退職代行の利用を考えている人も、いろんな心の葛藤は少なからずあるでしょう。
退職代行サービスを利用したなんて、きっと無責任な人間だと思われるだろう。
迷惑をかけてしまったことに心が痛んでしまう。
追い詰められていればいるほど、ネガティブ思考のスパイラルにハマっているので、退職を言い出せなくなってしまいます。
しかし、実際に退職代行を受け取った企業側からすると、どうやらネガティブなことばかりではないようです。
その理由は、下記になります。
『バックレ』よりは全然マシ
本音の退職理由が聞ける
心配のほうが勝ることが多い
『バックレ』よりは全然マシ
企業側からすると、事情もわからないまま突然会社に来なくなるほうが厄介です。
いわゆる『バックレ』です。
本人の意思承諾がないままでは、 退職手続きをするにも進められません。
利用者に変な刺激して精神的に追い込む可能性もあるので、家族や親御さんに連絡していいかどうかもわかりません。
所属するチームや人事も、どうしていいかわからない状況のなかで作業だけが増えてしまいます。
しかし、退職代行であれば、本人の意思が確定しているので、手順通り手続きを進められます。
本音の退職理由が聞ける
通常の退職では、退職理由で本音を伝えることなんでほとんどありません。
企業したい!
キャリアアップのため!
実家の手伝いでやむを得ず、、。
など、 当たり障りのない理由で去ってしまうため、本当はどんな不満を持っていたのか知ることができません。
その点、退職代行サービスであれば、退職したい本当の理由を代弁してもらえるので、同じ要因で退職者をださない対策ができると感謝されることも多いそうです。
上司からパワハラを受けていた。
サービス残業を強制させられている
○○からのいやがらせが多い。
人事は、すべての部署やチームの状況を細かく把握することができません。
また、口がうまい上司の場合、いくら部下がパワハラを訴えてもうまく言いくるめてしまうことが多いんです。
会社としては、退職の本音を聞ける退職代行サービスのほうが、その後の環境改善に役立てられるため、その点はメリットに感じているようです。
心配のほうが勝ることが多い
実際に退職代行を利用されたことのある会社は、利用者へのいらだちよりも、心配のほうが先立って感じるのだそう。
この先の仕事は決まっているのか心配、、。
体調が相当わるいのでは?大丈夫だろうか、、。
そう思いながら、欠員が出た分の仕事も代わりにこなし始めるのです。
会社は、一人欠員が出ても業務が回ります。
しかし、あなたの人生はそうはいきません。
人生がより良い方向にむかうのであれば、 どんなかたちであれ、退職する意思を伝えるべきでしょう。
サービスの利用方法
退職代行サービスを利用する流れは、とてもシンプルです。
- 無料相談
- 料金を支払い正式に申し込む
- 退職手続きの開始
- 進捗、結果の報告
- 退職完了!その後のフォローアップ
退職代行サービス利用の流れ
①無料相談
まずは、無料相談を行います。
現在の状況や、サービスに求める条件、スケジュールなどは、この時に相談します。
②料金を支払い、正式に申し込む
相談した内容で問題なければ、正式に申し込みを行います。
支払い方法は、銀行振込が多いですが、クレジットカードやコンビニ払いが可能なサービスも存在するので、すぐに手元にお金を用意できない場合は相談することもできます。
③着金確認後、退職手続き開始
担当者側で着金の確認が取れ次第、退職代行サービスが始まります。
退職届の作成や、返却物の郵送など、個人で対応が必要な場合は、担当者のアドバイスを受けながら行うことができます。
④進捗、結果の報告
手続きの進捗は、都度担当者から連絡があります。
会社から個人あてに連絡がきてしまう場合がありますが、基本的には応答する必要はありません。
すべて退職代行サービス業者が対応してくれるので、手続き完了の連絡がくるまで待ちましょう。
⑤退職成立後のフォローアップ
無事退職が完了したら、サービス終了です。
その後、転職支援や失業保険申請サポート、心理カウンセリングを行ってくれるサービスもあるので、必要な場合は引き続きサポートを受けられます。
退職代行サービスの種類と料金
退職代行サービスには、大きく分けて3種類のサービスが存在します。
退職代行専門のサービス業者
弁護士事務所
電話代行業者
退職代行専門のサービス業者
料金 | 対応/早さ | 営業時間 | 安全性 |
〇 約3万円 | ◎ 即日対応可 | ◎ 24時間対応 | 〇 顧問弁護士あり |
雇用形態によって異なりますが、一般の退職代行サービスの料金相場は約3万円となっています。
基本的には24時間365日、迅速な対応を行ってくれるので、いつでも相談できるという点がメリットといえます。
デメリットは、未払い給与や退職金、有給消化の請求など、勤め先と退職条件の交渉までは行えないという点です。
この交渉は、法律資格をもった弁護士や、労働組合でなければ非弁行為(法律違反)となってしまいます。
非弁活動(ひべんかつどう)とは、法律で許されている場合を除いて、弁護士法に基づいた弁護士の資格を持たずに報酬を得る目的で弁護士法72条の行為(弁護士業務)を反復継続の意思をもって行うこと。 非弁行為ともいう。
※Wikipediaより引用
安全性が不安視されるのも、この非弁行為の心配から言われています。
しかし、違法行為がないよう、顧問弁護士に業務監修してもらっているサービスがほとんどなので、交渉がないのであれば、弁護士事務所よりも迅かつ安価に退職することができます。
弁護士事務所
料金 | 対応/早さ | 営業時間 | 安全性 |
△ 約5万円 | △ 若干遅め | △ 平日のみが多い | ◎ 交渉可能 違法性ゼロ |
弁護士事務所にもよりますが、退職代行を行ってくれる事務所も存在します。
一般のサービスや電話代行と違い、国家資格を有する法律のプロが対応するので、料金は基本的に高額です。
また、退職代行を専門としているわけではない為、その他業務で多忙な場合は、対応が遅くなることが考えられます。
しかし、非弁リスクの心配や、万が一勤め先とトラブルに発展しても、法律にのっとって対処することができる点は強みでしょう。
また、未払い給与の請求や、ハラスメントに対する慰謝料請求など、勤め先との交渉を代理で行ってもらえるのも法律事務所に依頼するメリットだと言えます。
電話代行サービス
料金 | 対応/早さ | 営業時間 | 安全性 |
◎ 5,000円~ | 〇 追加料金で 即日対応可能 | 〇 追加料金で 深夜・早朝も対応 | △ 顧問弁護士なし |
電話代行サービスは、本人にかわってさまざまな電話代行を行ってくれるサービスです。
人手が足りない企業の電話受付を代わりにおこなってくれたり、個人向けの電話代行においては、 謝罪電話、アリバイ電話、クレーム代弁など、 幅広い要望に対応してくれます。
料金は、安い業者であれば5,000円から利用することができるので、かなり格安と言えるでしょう。
しかし、顧問弁護士の業務監修がなかったり、実績や評判がすくなかったりと、安全面では不安が多い点がデメリットです。
また、家族になりすまして退職電話代行を行ってくれる場合もありますが、万が一勤め先にバレたりすると、大きなトラブルとなってしまう可能性があります。
金額は安いですが、安全性を考えると、一般の退職代行サービスか、弁護士事務所に依頼するほうがいいでしょう。
退職代行は、過労死などを防ぐセーフティーサービス
働き方改革が行われる前に、過労労働による事件が話題になりました。
大手飲食チェーンでは、長時間労働による健康被害の問題がニュースになりました。
また、大手広告代理店では、長時間労働やハラスメント問題によって悲しい事件が起きてしまいました。
このような事件が起きてから、現在では労働環境が大きく見直され、国でも厳しく管理するようになりました。
しかし、日本には、過労で健康を害してしまう職場環境はまだまだ存在しています。
特に、飲食業界やアパレル業界、制作関連の仕事は、低給与で長時間勤務があたりまえとされてきた業界です。
役職につくと、責任や業務量も増えるが、給与レンジはさほど上がらないため、退職したいと思う人も多いのが事実。
私自身も、アパレル販売員として働いていたこともあるのでわかるのですが、昇格するほど責任と業務量が増え、休みも店舗に出社して作業することが多くありました。
しかし、人手不足から、
辞めるなら変わりを探してからにして欲しい。
と言われ、そんな暇もなく働き続け、心身共に疲れきったところに退職代行会社に駆け込んでくるのだそう。
最後の手段としてこのようなサービスがあることは、 いたたまれない事件が起こることを防ぐ、 一つの救いだと私は思っています。
ということで、今回は退職代行をテーマにお伝えしてまいりました。
もしあなたが退職したくても一歩勇気が出せないのであれば、このサービスは一つの手段だと私は思っています。
まわりの人の意見ではなく、あなたが明るい人生を送るための決断が大切です。
他人の人生ではなく、あなたの人生のために、よりよい選択を考えてみてくださいね。
ではでは!
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年々利用者が増えている退職代行。 現在では、そのサービス業者も100社以上存在すると言われています。 そんな退職代行の中…